タンデムマス法・新生児マススクリーニング

タンデムマス法以前は、昭和52年からガスリーテストをおこなっていました。ガスリーテストは、ろ紙に新生児の血液を染み込ませ検査、それによりフェニルケトン尿症やメープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、クレチン病、ガラクトース尿症、先天性副腎過形成の6疾患を診断するものです。一方、タンデム質量分析計導入により、20種類以上の疾患を検出し革命的な新生児スクリーニングが可能になりました。

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タンデムマス法で検出可能な疾患は、従来のガスリーテストの検出数(6疾患)を大幅に超え、計24種類以上に及びます。(実際、タンデム質量分析計は新生児に発見可能な疾患は30数種類に及ぶと言われています)

例えば、アミノ酸代謝異常では、ガスリーテストでは、フェニルケトン尿症・メープルシロップ尿症・ホモシスチン尿症の3つのみであったものが、タンデムマス法では、さらに高チロジン血症、アルギニン血症、シトルリン血症、アルギニノコハク酸尿など計10疾患が検査可能です。

大幅に増えた対象疾患の検査によりスクリーニングしますと、「約8000人に1人の割合で患者が発見される」と言われるまでになりました。

尚、タンデムマス法により以下のような検査が可能になりました。

●有機酸代謝異常
メチルマロン酸血症・・・アシドーシス・ 発達遅滞
プロピオン酸血症・・・アシドーシス・発達遅滞
βケトチオラーゼ欠損症・・・ケトアシドーシス発作
イソ吉草酸血症・・・アシドーシス・体臭
メチルクロトニルグリシン尿症・・・筋緊張低下・ライ症候群
HMG血症新・・・乳ライ症候群・低血糖
マルチプルカルボキシラ-ゼ欠損症・・・乳湿疹・乳酸アシドーシス
グルタル酸血症1型・・・アテトーゼ・発達遅滞

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●脂肪酸代謝異常症
MCAD欠損症・・・ライ症候群・SIDS
VLCAD欠損症・・・低血糖・骨格筋・心筋障害
TFP(LCHAD)欠損症・・・ライ症候群・SIDS
CPT1欠損症・・・ライ症候群・肝障害
CPT2欠損症・・・ライ症候群・筋肉症状
TRANS欠損症・・・ライ症候群・SIDS
全身性カルニチン欠乏症・・・ライ症候群・SIDS
グルタル酸血症2型・・・ライ症候群・低血糖

●アミノ酸代謝異常症
高チロジン血症1型・・・肝硬変・腎性くる病
シトルリン血症1型・・・興奮・発達遅滞・昏睡
アルギニノコハク酸尿症・・・興奮・発達遅滞・昏睡
フェニルケトン尿症・・・けいれん・発達遅滞
メープルシロップ尿症・・・発達遅滞・昏睡・アシドーシス
ホモシスチン尿症・・・発育異常・水晶体脱臼・血栓症

●ガラクトース血症(糖質代謝異常)・・・肝障害・肝不全・発達
●クレチン症(内分泌疾患)・・・発達遅滞・成長障害
●先天性副腎過形成症(内分泌疾患)・・・ショック・男性化


以上のような検査、またここに記述したそれ以上の検査が可能になり、早期に発見、治療することにより多くの新生児の障害予防が可能になりますので期待が寄せられると共に母子保健の機能の向上にもつながる結果となります。

タンデムマスは元々、アメリカの一部の州で始まりましたが、新生児スクリーニングは、その後、画期的であることから、アメリカの各州に波及し、さらにヨーロッパ、また私たちの国、日本やアジアの国々にも普及しまして、世界的な広がりをみせはじめています。

わが国の厚生労働省は、平成16年度から「21世紀の新生児マススクリーニングのあり方に関する研究班」を設置しました。

その中の一環として「タンデムマスによる新生児スクリーニング」のパイロット研究が始められましたが、今まで以上に、より多くの幼い命が救われます。これからも期待したいと思っています。

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